申告・納税をしなかった場合のペナルティ相続税の税理士

申告・納税をしなかった場合のペナルティ

「相続税なんて払いたくない・・・」というのが相続人たちの本音かもしれません。ただ、相続税は払うものと法律で決まっていますので、払いたくないからと言って払わずにOKというものではありません。相続税の申告をしなかったり、嘘をついて少なく申告したり、虚偽の申告をすると、本来支払うべき相続税の他にペナルティとして追加の税金が課せられます。

申告期限までに申告をしなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には、本来の相続税のほかに無申告加算税・過少申告加算税・重加算税がかかります。また、申告期限までに申告しても、税金を期限までに納めなかったときは利息にあたる延滞税がかかります。

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申告期限までに申告をしなかった場合

無申告加算税が課せられる

申告期限を過ぎてからの申告を「期限後申告」といいます。
期限後申告の場合、本来支払う相続税とは別に、「無申告加算税」や「延滞税」という税金の支払義務が生じます。
無申告加算税は、税務署の調査を受ける前に自主的に申告した場合は、本来支払う相続税に5%の割合を乗じて計算した額、税務調査後の場合は、15%または20%の割合を乗じて計算した額になります。

なお、納付期限までに遺産分割が終了していなくて受け取る財産の額が決まっていない場合は、税額も確定しないのだから、その場合は申告をしなくてもいい、と考える人がいるようですが、それは大間違いです。遺産分割が終了していないからといって申告を留保していい訳ではありません。遺産分割が終了していない場合であっても、とりあえず法定相続分で相続したとして相続税の申告・納税を行います。そのまま放置していますと無申告加算税と延滞税が発生します。

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申告内容を意図的に偽った場合

重加算税もしくは過少申告加算税が課せられる

支払う相続税を少なくしたいと考え、申告の内容を意図的に偽って少なく申告した場合や申告せずに財産を隠したり事実を偽装したりした場合は、本来の相続税とは別に、「重加算税」と「延滞税」という税金の支払い義務が生じます。
重加算税は、無申告加算税にかかわる場合は40%、過少申告加算税にかかわる場合は35%の割合を乗じて計算した金額になります。

なお、意図的でなくとも申告した税額が申告漏れなどにより少なかったような場合は、税務調査後の場合は「過少申告加算税」と「延滞税」を支払わなくてはいけません。過少申告加算税は、原則として本来の税額に10%を乗じて計算した額が課せられます。

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申告内容が間違っていた場合

速やかに修正申告や更正の請求を行う

偽装する意図で申告したつもりでなくても、財産の評価などを間違ったり、新たに財産が出てきたりと申告の内容に間違いを見つけることは珍しくはありません。
相続税は申告納税方式なので、自分で税法に従って計算をしなくてはいけません。相続税の申告なんて誰もが日常的に行うものではありませんので、専門家に依頼しない限りどんなに慎重に行ったとしても、後から誤りが見つかることはあります。
相続税の申告書を提出した後で、計算ミスや勘違いなどで申告内容の誤りに気がついた場合には、修正申告や更正の請求により、提出した申告書を訂正することができます。

1 納める税金が少な過ぎた場合(修正申告)
修正申告した上で、不足額を支払う

誤った内容を訂正するために「修正申告」をする必要があります。
税務調査後の修正申告や税務署から申告税額の更正を受けた場合は、追加して納める税金のほかに「過少申告加算税」という税金が課されます。過少申告加算税の金額は、追加で納めることになった税金の約10%(追加で納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合は、超えている部分につき15%)相当の額です。
なお、税務調査前に自主的に修正申告した場合、過少申告加算税はかかりません。

追加で払うことになった税金の納付期限は、修正申告の申告日であり、またこの日までの延滞税も発生します。
間違いに気づいても面倒だと思ってそのままにしておくと、追加して支払う税金が増えていくだけですので、誤りに気付いたら速やかに修正申告を行いましょう。

2 納める税金が多過ぎた場合(更正の請求)
更正の請求により払い過ぎた税金を還付してもらう

納める税金が多過ぎた場合は、払い過ぎた税金を返すよう請求することができます。これを「更正の請求」といいます。
更正の請求は、誤りの内容を記載した更正の請求書を税務署長に提出することにより行います。原則として本来の申告期限から5年以内に限り行うことが出来ます。税務署で請求が認められると減額更正により多く払い過ぎた税金を還付してもらうことができます。

なお、次のような場合には、「その事由が生じたことを知った日の翌日から4カ月以内」というように、更正請求ができる期間が決まっていますので注意が必要です。

  • 申告後に未分割遺産について分割が行われたこと
  • 認知や相続の放棄の取消しなどの理由によって相続人に異動が生じたこと
  • 遺留分による減殺の請求に基づき返還すべき、または弁償すべき額が確定したこと
  • 遺贈に係る遺言書の発見、遺贈の放棄があったこと
  • 申告期限後に遺産分割が行われ、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを受けられることになったこと

など

例えば、申告期限前遺産分割が終了しないで取りあえず法定相続分に相当する税金を支払っていた場合で、分割の結果相続した額が少なくなったときは、「更正請求」によって、払い過ぎた税金を還付するように請求することができます。

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連帯納付義務とは

利益を受けた者が共同で義務を負う

相続税の納税については、各相続人が相続、遺贈等より受けた利益の価額を限度として、お互いに連帯して納付しなければならないという義務があります。これを相続税の「連帯納付義務」といいます。これは、ひとつの相続によって生じた相続税については、利益を受けた者が共同して責任を負うべきという考えから来ています。

相続人の1人が支払うべき相続税を納められないような場合とは、例えば、現金が一時に用意出来なくて延納や物納申請したにもかかわらず却下された場合や、延納許可を受けた後に延納税額が納付されない場合などです。
この「納付されない場合」とは、財産があるにも拘らず、ただ支払わないという状況ではなく、税務署が納付義務者の資力を調査した上で、税金を納付するように督促や差押えをし、それでも回収できない状況をいいます。本人に資力がないことを確認した上で、納税が不可能という場合に限って行う、本当に最終的な手段です。納税義務者の1人が払いたくないという理由だけで支払わずにいたからといって、当然に他の納税義務者などに請求が行く訳ではありません。資力が全くなくなったような場合に限って、他の納税義務者に初めて納税通知が行くことになります。

なお、平成24年の改正によって、「申告期限から5年経過した場合は連帯納付義務が課されない」という規定が設けられました。ただし、すでに連帯納付義務の履行が求められているものについては適用外で、その後も継続して連帯納付義務の履行が求められます。
また、延滞している納税義務者が延納または納税猶予の適用を受けた場合も、他の納税義務者は連帯納付義務を課されることはありません。

相続税の申告・納付期限から相当期間経過して、すっかり相続税の納税のことなんて忘れたころになって、突然税務署から連帯納付義務の履行が求められる、ということも十分にあります。このようなことを防ぐために、他の相続人がどのような経済状況で、負債などがないかどうか、財産を受け取った場合に相続税を支払うことが出来るかどうか等をある程度把握しておく必要があると考えます。遺産分割協議時に事前にそれらの事項を確認して、初めから支払えないような相続人には相続財産を渡さないことが重要なポイントです。

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税務調査とは

税務署の目はごまかせません

相続税は申告納税方式ですので、相続税の申告書自体も税務署に自分で取りに行かなくてはいけないのですが、ただし、「ある程度の財産」を持っていると思われる人が亡くなると、税務署から相続税の申告書が送られてくると言われます。
「ある程度の財産」の判断はどのようになされているのか。
まず、税務署は、市区町村役場に提出された死亡届から死亡の事実を知ると、相続税が発生しそうな人、つまり財産をたくさん持っていると思われる人を見つけ出します。税務署には今までの所得税のデータがあり、自治体や法務局と連携して不動産の存在の調査や固定資産税等の財産についてのデータを入手していますので、財産がある人を簡単に調査することができます。この調査が「税務調査」と呼ばれるものです。不動産には登記制度がありますので、不動産などの虚偽申告は絶対にできるものではありません。金融機関に対する照会なども行いますので、預貯金や生命保険金などをごまかすことなどもできません。相続税を払いたくないからといって、申告しないでいても必ず税務調査でみつかるものです。

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